ベタガードってなんだ?

ハンドクリーム・ベタガードの特徴・使い方・歴史

月桃(ゲットウ)の香り

月桃とは?


ゲットウはショウガ科ハナミョウガ属の常緑多年草。姿はイネ科のアシやサトウキビを巨大化した感じの植物。私は巨大なハーブと見なしています。

沖縄、東南アジア、台湾、中国南部などアジア南東部に広く自生しているハーブです。

沖縄では「サンニン」と呼ばれ、いたるところに自生し、食品の保存や香り付けなどの人々の生活に溶け込んでいます。邪気払いのハーブ。「ゲットウ」は漢名の「月桃」の読みです。

北大東島 月桃畑
※たわわに実る北大東島 月桃畑。この島のメインの作物はサトウキビですが、その畑の周囲を囲むように月桃が植えられていました。

防砂対策・防風林対策として、そして、精油採取に利用されます。



月桃の精油


日本では精油生産は経済構造上、産業として成立することがかなり厳しい状況にあり、日本で生産される精油はほとんどありません。

しかし、沖縄で生産される月桃精油は、産業ベースで生産されている稀少な事例となっています。

月桃精油の特徴は次の2点:

・強い殺菌効果・抗菌効果・消臭効果・防虫効果
・薬草のような個性の強い芳香


ベタガードと月桃精油の関係


ベタガードには月桃精油が配合されています。目的は、ローズマリーの香りのサポートです。

月桃精油自体の香りはほとんど感じられませんが、ローズマリーとの香りの相性が抜群に良く、ローズマリー単体より、月桃精油を加えることでベタガード全体の香り深みが増しました。


月桃精油の香り成分


分析された資料いろいろありますが、月桃の種類(月桃にはたくさんの種類があります。

多品種との混血月桃も多数観察されており、種類数は不明で現在も増加傾向にある模様です。

成分に関しては産地や時期、分析方法によっていろいろな成分が検出されます。下記は一例です。

・酢酸シンナミル(cinnamyl acetate) 24.1%
・カンファー(camphor) 14.3%
・カンフェン(camphene) 9.2%
・リナロール(linaool) 6.8%
・リモネン(limonene) 6.3%
・α-ピネン(a-pinene) 3.6%

(出典)
http://ci.nii.ac.jp/els/110003651451.pdf?id=
ART0004175672&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=
&ppv_type=0&lang_sw=&no=1377465976&cp=

それぞれの成分の特徴的な香りを説明します:

・酢酸シンナミル・・・花やフルーツの甘い香り。アップル、ピーチ、グレープなどの果実フレーバーとして使われる
・カンファー・・・樟脳の香り
・カンフェン・・・樹木や樟脳に近い香り
・リナロール・・・花の香り
・リモネン・・・柑橘類の香り
・α-ピネン・・・樹木の香り

成分表から判断しても、また実際の香りを確かめると、特徴的な香り立ちはカンファーやカンフェン、α-ピネンといった樹木系の香りが中心です。

これにリナロールや酢酸シンナミルの甘いフルーツのような香り、さらにリモネンの柑橘系の爽やかな香りが複雑に混じり合った存在感がある香りとなっています。


月桃の芳香


月桃の花にはあまり香りがありませんが、葉や茎からは、薬草のような独特な芳香が感じられます。これらの芳香は精油(エッセンシャルオイル)から発せられています。

沖縄では、月桃の葉にムーチー(饅頭)を包んで蒸す習慣があります。精油自体に殺菌・抗菌・消臭効果があり、また同時に独特の芳香が食欲をそそります。

沖縄で月桃の葉に包まれたムーチーの買うとき、店主に尋ねたところ、沖縄の人はこの香りが大好きですが、本土の人ははじめてで苦手に感じる人も多いとのことでした。

おそらく、それだけ強く個性がある香りということでしょうが、慣れれば病みつきになりそうな香りです。


月桃の名前


沖縄では「サンニン」と呼ばれます。「月桃」は台湾での呼び名ですが、日本でも月桃という呼び名は定着しています。

「月桃」という名前の由来は詳しくわかっていませんが、花の形と花の先端がほんのりピンク色になる点と桃を思わせるためではないかと空想しています。

当社では、英名として月桃を「Peach Moon」と呼んでいます。「Bridge Stone」(石橋)のように直訳逆転させただけの完全造語です。


月桃の花


南国に似合う大きく優雅でカラフルな花を付けます。沖縄で一般に咲いている月桃の場合、5-6月に白い花を付けますが、7月くらいに花が開きます。

花びらの内側は、赤い縁取りの黄色やオレンジなどカラフルな色彩が混じり、9月-10月には実を付けます。

香りは、私が確認した範囲ではほとんどありません。花言葉は・・・、そんなことはどうでもよいか。


月桃の原産地と生息地


原産地は東南アジアで、東南アジア、台湾、中国南部などアジア南東部から、インド南部など亜熱帯の南アジアに広く分布しています。

日本では、沖縄本土と周辺の島々、屋久島や種子島に多く生育しています。これらの地域では、自生していると同時に精油やお茶の生産のため栽培されている場合があります。


月桃の商品価値


月桃からは精油が採取されます。通常は水蒸気蒸留法が利用されます。根本から刈り取られた月桃は、茎・葉の区別なく使える点が効果的です。

水蒸気蒸留された後の茎・葉の廃材は、家畜の飼料になったり、繊維質が紙や布の原料として利用されます。

水蒸気蒸留で得られた精油の副産物である月桃水は、フローラルウォーターとして商品化可能です。

月桃は、このように全草が無駄なく使える点がとってもエコな作物です。


赤土流失対策としての月桃(石垣島)


石垣島では、近年の土地開発で保全林が少なくなり、畑の赤土が雨水とともに海岸に流れ出すことが問題になっています。

流れ出した赤土は島周辺のサンゴの死滅・白化現象の原因の一つとなっています。

石垣島では、サンゴ礁を守るために、月桃を畑の周囲に植えることで赤土の流出をくい止める活動が盛んです。

月桃の植樹活動はボランティア活動としても行われ全国からボランティアが参加しています。

現地ではこのような赤土流失対策の月桃が「グリーンベルト」と呼ばれているようです。

月桃は、しっかりと根を張るだけでなく、地下茎で周囲に拡散し密集して群生する性質があります。

また、いったん植えると手間暇かけずに大きくなるためグリーンベルトとしては最適な植物と思われます。

さらに、月桃からは精油やお茶素材が採取されますので、増えすぎた場合は換金作物としての可能性もあります。

(2018-07-19)
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