開発日誌 (~2012年)


(4)ワセリンの商標

ワセリンの商標


ワセリンは普通名詞のように使用されていますが、実は商標。


チーズブロー社の変遷


ワセリンを世界で始めて発明し製品化したチーズブロー社は、1955年、ポンズクリームで有名なポンズ社(Pond's Company)と合併し「チーズブローポンズ」(Chesebrough-Ponds)となりました。

チーズブローポンズ社は、ハンドクリームやボディクリームなどパーソナルケア製品において有力企業として成長します。

その後1987年、オランダ系多国籍企業ユニリーバ社によって、チーズブローポンズ社は買収され現在に至ります。

この買収で社名から「チーズブロー」が始めて失われました。チーズブロー社設立115年後のことです。


ユニリーバ社


現在、ワセリン商標の所有者はユニリーバ社です。

そのため英語圏ではワセリン(Vaseline)は一般名詞として使用されず、「Vaseline」という言葉は商品名・商標名・ブランド名としてユニリーバ社のみが使用する権利を有します。

普通名詞としてワセリンを指す場合、「ペトロリアム・ジェリー」(ペトローリアム、petroleum jelly)または「ペトラタム」(ペトロリータム、petrolatum)と呼ばれます。


海外の事情


しかし、1870年代から、延々とワセリン(Vaseline)という言葉が世界中で使用されてきたため、スペイン語圏・ドイツ語圏・北欧圏では、ワセリンは普通名詞として使用されています。


日本の事情


日本でも日本薬局方には一般名称として「ワセリン」が記載されており、同様に普通名詞として使用されています。

電子楽器の「エレクトーン」やファスナーの「チャック」、宅配便の「宅急便」などと似た現象ですね。

ユニリーバ社は、ワセリン商標が無断で使用されている問題に対して、自社商標をプロテクトする様々な手段がありますが、今のところ具体的な方針や対策はしていようです。

今後の商標問題の行方は不明です。

ちなみに、ユニリーバ社は、日本でもワセリンを販売していますが、商品名は『Vaseline』で、日本語名として『ヴァセリン』と表記されています。

これはおそらく「ワセリン」が日本では普通名詞化しているため、あえて「ワセリン」を避け、商品名区別のために「ヴァセリン」と命名されたのではないかと推測されます。



(2009-01-24 07:50:45)

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