開発日誌 (~2012年)


* 尿素のGoodとBad
(2012-03-29 14:46:44)
ハンドクリーム成分としては非常に有名な尿素ですが、賛否あります。

なぜ尿素は愛され、そして嫌われるのか。


オシッコと関係が?・・・


尿素は文字通り尿に含まれる成分です。

体内の余分な窒素成分を排出するために生成されるものです。

体内では下記の化学変化(尿素回路)が起きており尿とともに体外に排出されます。

[窒素] → [アンモニア] → [尿素]

アンモニアのままで体外に排出できない理由はそれは生体に危険な物質だから。

動物によってはアンモニアのまま、あるいは鳥類など尿素からさらに「尿酸」にまで精製して排出する動物もいます。

尿酸は人にとって通風の原因になる恐ろしい物質です。

尿素はオシッコに含まれるためアンモニアのあのオシッコ臭を想像しますが、純粋な尿素は無色無臭です。


オシッコから精製されるわけでない尿素


なお、化粧品や医薬品に使用される尿素はオシッコから精製されるわけでない。

化学的の合成されたものです。


尿素がハンドクリームに多用されるメリット


尿素がハンドクリームの成分として利用される理由は2点。

(1)皮膚の角質などカサカサ部分をツルツルにする
 ・・・余分な角質などと溶かしてくれるピーリング効果

(2)保湿作用
 ・・・お肌に潤いを与える


尿素のピーリング効果


尿素は角質などをや柔らかくする成分。

タンパク質を溶かす作用があるためです。

タンパク質はアミノ酸が連鎖(ペプチド結合)してできる物質ですが、その結合を分解する働きがあります。

これは逆に言えば、肌の表皮を傷つけることでもあり、逆に危険な物質とも言えます。

そのためスキンケアにとって尿素に否定的な意見を抱かれている先生方も少なくありません。

たとえば「新しい創傷治療」には否定的な見解が書かれています。



開発日誌 (~2012年)


* ワセリンは石油からできているの?(石油精製の話)
(2012-03-29 14:46:41)
ワセリンは石油由来。


蒸留は石油精製の重要な技術


原油はナフサ・灯油などへ精製されます。

ナフサはガソリンの原料であると同時に様々なプラスティック製品や有機化学、そして医薬品・化粧品の原料。

この石油精製のもっとも重要な技術が蒸留です。

蒸留とは熱を加えて沸点の高いものから順番に揮発する性格を利用して、物質を成分ごとに分離る技術です。

蒸留すれば揮発するモノとその後残るモノに分かれます。


残渣(ざんさ)から生まれるワセリン


ワセリンは石油精製課程で残されたモノ、正規業界では「残渣」(ざんさ)と呼ばれます。

蒸留しても残るだけあって、残渣した物質は沸点が低く重量が重い性質、また熱や気圧に対して比較的安定した物質です。

ワセリンはこの残渣をさらに精製して作られます。

この精製精度ややり方によって「白色ワセリン」と「黄色ワセリン」になります。

「白色ワセリン」は通常「黄色ワセリン」よりも精製精度が高く不純物が少ないとされます。

現在日本ではたんに「ワセリン」と言えば、通常「白色ワセリン」を指します。


ワセリンとアスファルト


残渣からはいろいろな製品が生み出されますが、残渣の最終製品はおそらく道路のアスファルトではないかと思われます。

アスファルトは大きな分子量の炭化水素の混合分で石油から生まれる物質でもっとも重く粘っこい物質です。

アスファルトは旧約聖書にもでてくるくらい歴史が古い。人類には縁の深い物質です。

当然、当時のアスファルトは人工的な精製でなはなく、石油が自然に固まった天然アスファルトと推測されます。



開発日誌 (~2012年)


* 夏にも使いたいベタガード?
(2012-03-29 14:46:40)

初夏ですね


昨日は日本全国初夏の陽気でした。

東京では八重桜が真っ盛りでですが、ベタガードはこの暖かさでベットリ。

さて、そろそろベタガード前半の活動が止まります。

ハンドクリームは多くの方にとってすでに用なし状態ですが、今からも使いたいという方も。


ベタガードとアトピー


アトピーのお子さんがおられ様々な成分でアレルギーが起きやすい体質とのことでしたが、ベタガードは問題がなかったとのこと。

ワセリンは皮膚関連の医薬品として多用されている実績があるようにもともと問題は少ないですが、実際に「問題なかった」と連絡を受けるとほっとする。

ベタガードにはワセリン以外に数種類の成分が配合されています。

それらもアレルギーリスクですが、処方が非常にシンプルですのでその分リスクは少ない。


ホホバオイルで使いやすく


ご自身のベタガードの感想は「たいへんよい」とのこと。

彼女自身、ワセリンは病院で処方されたり、自身で購入されたり、とワセリンに慣れている事情もあります。

彼女の場合リップクリームとしてワセリンを愛用しているものの、スキンケアクリームとして使用する際、ワセリンは「伸び」が悪いと不満がありました。

ワセリンだけだと水飴に似て固い。

ベタガードはホホバオイルと合わせているため「非常に使いやすい」と。

ベタガードNo.6はホホバを入れすぎて失敗した部分がありますが、問題を感じない人も存在するようです。


全身スキンケアとして、夏もベタガード


一番想定外の意見はハンドクリームの使用期間。

「梅雨くらいまで使いたい」

手足の先端はもちろん、カカトの角質部分やヒザのザラザラ部分など手足全体に使いたいとのこと。

「これからの季節、女性は露出する部分が増えますから。使いたいのはこれからですね」



開発日誌 (~2012年)


(紹介) ワセリン奨励1
(2012-03-29 14:46:39)

十人十色のお医者さんの世界


お医者さんの世界は10人の先生がいれば、10人とも違うことを言います。

どうかするとまったく正反対のことを学会や著作本などで発表され合ったりします。

しかし、ことワセリンに関して言えば、悪口を言うお医者さんは聞いたことがありません。


ワセリン肯定派が多い皮膚科の医師


とくに皮膚科の先生方にはワセリンファンが少なくないようです。

たとえば皮膚科の専門医による書籍を紹介:

「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法―美肌には化粧水もクリームもいりません― [単行本(ソフトカバー)]
宇津木龍一 (著) 青春出版社 (2012/2/1)


化粧品はむしろ有害?


著者は化粧品に対してかなり否定的な意見。

本書を読むと「美肌には化粧品は不要」ではなく、むしろ「化粧品は有害」といった趣旨さえ感じられます。


信用できるスキンケアはワセリンだけ?


一方ワセリンは肌を保護する無害で強力なツールとして何度も登場します。

たとえば目次などから、著者の主張とワセリンに対する意見の一例をリストアップします:

・「安心して使えるのはワセリンか生理食塩水だ」

・「『コスメ好きほど肌がボロボロ』という事実」

・「肌をきれいにしたいなら、化粧品をやめなさい」

・ベースメイクの項目には「下地にはもちろんワセリン」

・「毎日行うのは肌を極力こすらない『水洗顔』だけです。用意するのは純せっけんとワセリンのみ。さあ、一緒にきれいな肌をめざしましょう。」



開発日誌 (~2012年)


(紹介) ワセリン奨励2
(2012-03-29 14:46:38)
『アレルギーなんかこわくない!―花粉症、アトピー、ぜんそくの治し方』(講談社SOPHIA BOOKS)から2回目の投稿です。


花粉症対策は鼻の穴にワセリンを塗る



花粉症対策にワセリンという提案。

鼻の穴(鼻孔)にワセリンを塗れば効果的な花粉対策になる話は目からウロコ的で興味をそそられます。


鼻の穴ワセリン効果のメカニズム


スギ花粉の粒子は比較的大きく、鼻に吸い込まれても1cm-3cm程度までしか届かず鼻腔内に付着する。

肺や気管支に入るとアレルギー性の咳がでますが、花粉症の人にそういう症状は多くないことからも花粉の鼻腔内付着は推測されます。

この付着する花粉が肌ではなくワセリンの油脂に絡め取られると体内に侵入することもなく花粉症の症状がでないという原理です。

先生オススメのつけかたはワセリンを塗った綿棒で鼻腔内を軽く「クルリと一回転すれば用は足りる」。

そして自宅に帰って洗顔やお風呂の時に花粉は水とともに長い落とされるという仕組みです。

花粉症の知人にこの方法を勧めたところ「外出するときにワセリンを塗っておくと、夜になって鼻がつまることがなかった」。

そして「おかげで抗ヒスタミン剤の内服液を使わないですんだ」とのことです。


ワセリンで花粉症対策・・・一般の人の意見


『アレルギーなんかこわくない!―花粉症、アトピー、ぜんそくの治し方』に出てくる「鼻の穴ワセリン」に関して、Amazonのユーザー書評に次のような感想が掲載されています。

「この十年悩み苦しんできた花粉症。その決定的かつ合理的な解決法をこの本でみつけました。なんと、ワセリンを鼻の穴に塗るんです! 

花粉が飛び始めて十日あまり。びゅんびゅん風が吹く快晴の日にも、これだけのことで今年はくしゃみがたった一回出ただけ。

例年ならば、いやだと思いながら眠くなる鼻水どめの飲み薬なしには眠れないし、結局ステロイドの点鼻薬に頼っていたのに。今年は薬なしで花粉症シーズンを乗り切れそう。うれしい。」



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