開発日誌 (~2012年)
美容師さん・調理師さん
(2010-04-01 08:30:17)
美容師さん・調理師さん
職業的に手荒れに苦しんでいる人の比率が非常に高い美容師さん・調理師さんを例に、手荒れ体験をレポートします。
「指紋も消えたよ」
私が通っている床屋さんの話ですが、冬場の手荒れもはやどうしようもないとのことでした。頭を洗って、ドライヤーを掛ける作業は一日10人以上。
男性の短めの髪は「ほとんどタワシを手で触っている」ような感触だそうです。
「指紋も消えたよ」
そういう話を聞いた後に髪を洗ってもらうのは本当に気が引けました。その理容師さんは市販ハンドクリームを使った"マイ・オリジナルブレンド"を愛用されていました。
シャンプー担当の美容師の手
カットはベテランさんがやり、新人さんは洗髪といった分業制になっている美容院も多いようです。
しかし、洗髪ばかりをやっている美容師さんの手は当然、荒れやすい。
私がお聞きした新人の美容師さんは「手が荒れているので手袋させてもらっています」とことわった上でシャンプーされているそうです。
また、彼女によると、絶望的に手が荒れるのが、髪染めカラーリング剤とパーマ液とのことでした。
手袋していても、まったく触れないというわけでないので手袋しても、なお注意しているそうです。
手以外にもでる手湿疹
手荒れは避けがたいのですが、アレルギー性の手荒れですと手だけでなく、顔や全身に湿疹が出る場合があります。
美容師仲間で言われていることが、首から上に出た場合は転職した方がよいということです。実際に顔に出る方もおられます。
美容師を辞める原因のトップは手荒れと人間関係
美容師の手荒れは職業病ですが、手荒れで美容師を断念する例は非常に多いらしいです。
統計データはありませんが、お聞きした範囲で勤めている美容院を辞める原因のトップは手荒れと人間関係だそうです。
人間関係なら他の美容院で働く方もおられるかもしれませんが、手荒れが原因ですと、美容師そのものを断念されるケースも多いかと思われます。
美容師の手荒れはアレルギー性のものの場合なら、努力や我慢の範囲を超え、場合によって人命に関わるとのこと。
そのため辞めたくないけど辞めざるを得ないという美容師さんもおられると思われます。
あかぎれの裂け目に髪が入る痛さ(体験談)
カサカサ・ガサガサは普通で夏でもひび・あかぎれが絶えないです。
関節部分のパックリ割れを起こすとお客様にもよい印象を与えないし、傷口に細菌発生して衛生上も問題があるものの決定打がありません。
お客様のシャンプーの時、そんな傷口に髪の毛が入ったりすると凄く痛いです。
皮膚科のお薬が強くなっていく(体験談)
皮膚科へ行ってお薬もらってきて一晩経つと翌朝は少しいいのですが、仕事にでるとまた同じ状態にもどる。そんな繰り返しの毎日です。
また薬も慣れてくると効かなくなるので強い薬になっていくのが辛いです。
手をお客様に見られたくない(体験談)
お会計の時、お金を払ったり、おつりを出したりもらったりするとき、どうしても手が見えてしますので。。。とっても嫌ですね。
開発日誌 (~2012年)
手荒れ職業
(2010-04-01 08:30:16)
手荒れ職業
手洗い、しかも消毒液やアルコール配合の消毒液で手洗いを繰り返す看護師さんの手は非常に荒れやすいと言われます。
看護師さんの一日の手洗い回数は50回とも言われます。そのほか、美容師さんからも手荒れの悩みは常態化しています。手荒れが起きやすい職業をリストアップしてみました:
手荒れ職業
- ・主婦
- ・調理師さん
- ・美容師さん
- ・理容師さん
- ・花屋さん
- ・魚屋さん
- ・看護師さん
- ・介護士さん
- ・クリーニング屋さん
- ・裁縫師さん
- ・豆腐屋さん
- ・粉末を扱う仕事・研究者(粉末状薬剤など粉末は水分を吸い取る)
- ・大量の紙を扱う仕事(新聞配達や印刷所さん)
そのほか、農家や漁業をやっている人、機械工のお仕事も油が手に付きますから手洗いが増えそうです。それと建設作業も手が荒れると聞きました。
こうやって見ていくと成人のかなりの方が何らかの手荒れと宿命的な職業に関連ありそうです。
私の空想では50%程度人は何らかの手荒れ職業に関係しており、手荒れに苦しんでおられる可能性を感じます。
冬場女性の90%以上がハンドクリームを使用していると思われますが、大きな需要があるのも当然ですね。
開発日誌 (~2012年)
入浴とハンドクリーム
(2010-04-01 08:30:15)
入浴とハンドクリーム
入浴は血行を促進し老廃物・疲労物質を排出(デトックス効果)、体温を高めカラダの免疫力の強化に役立ちます。
健康促進に大きな効果があると思われますが、ことスキンケアに関しては良いことばかりではありません。
入浴の温熱作用
最新の研究ではヒートショックプロテイン(HSP)というタンパク質が体内で生成され、細胞が活性化し、免疫力アップも期待できます。
水中の浮力効果(脳の解放)
水中では体重は10分の1(10%)になるとされます。60kgの体重の人なら6kgの体重を支えればよいのです。
お風呂に入る瞬間は体重を支えていた筋肉や関節が開放されます。
腰や足に絶えず掛けていた負担が軽減されること、体重を支えるために常時筋肉の一つ一つ制御していた脳も解放されます。
水圧効果(マッサージ効果)
体全体に水圧がかかるためボディ全体が日常とは違う圧力を受けます。水中ではウエストやお腹部分は数cmシェイプアップされるというデータもあります。
この水圧にはマッサージ効果があります。
起きているときの体は常に重力によって血液が足に降りがちですが、水中のマッサージ効果で血液の循環が促進されます。
熱いお湯が皮脂を落とす
熱い湯はカラダから皮脂を溶かし落とします。
米国の皮膚科では皮膚トラブルがある患者さんは熱いシャワーに長い時間浴びないようにアドバイスされます。
もし米国でも日本のように銭湯や温泉・日常的な入浴の習慣があるとすれば、長い時間の入浴は避けるようにアドバイスされるかもしれません。
入浴の手荒れ対策
入浴は心身への健康効果は高いものがありますが、手荒れがひどい場合は手を湯につける時間を短めにし、湯船から手を出していたほうが皮脂の流失防止には役立ちそうです。
シャンプーや石鹸で体を洗う場合はどうしても手で洗いますので次の要領で行うことをおすすめします:
- ・シャンプーや石鹸などの洗剤を掌に取るとき「少なめ」を心がける
- ・それらを掌(てのひら)で取ったとき長時間手で泡立てない
- ・体を洗うときは短時間に洗い終わり、徹底的にマッサージするように磨かない
皮脂を落としすぎない優しい洗剤を使おう
以前のボディケア用洗剤(石鹸やシャンプー、ボディソープ)は強力な界面活性剤を配合したものが主流でした。
昔、日本のお風呂場ではそんな洗剤をナイロンタオルにつけてゴシゴシしていた時代もあります。
しかし、スキンケアの知識や常識が普及するにつれ、そういう行為はむしろ危険と見なされるようになりました。
垢すりなども現在では皮脂と皮膚角質層の強制剥離でありリスクが高いと考える人の方が多いでしょう。
石鹸も現在ではアミノ酸系の刺激が少ない洗剤が多くなってきました。それらは汚れの落ち方が今ひとつですが、それだけ手や肌には優しいでしょう。
常在菌との共生のためにも
また、洗いすぎないことは体表に生息し人と共存共栄の関係にある常在菌の過剰除去防止にもなります。
常在菌の過剰に除去すれば他の有害菌の侵入されやすくなることも近年わけってきています。
「洗いすぎはよくない」が現在のスキンケアの常識になりつつあるようです。
開発日誌 (~2012年)
水仕事とハンドクリーム
(2010-04-01 08:30:14)
水仕事とハンドクリーム
炊事・洗濯は避けて通れない主婦のお仕事ですが、水仕事はダイレクトに手に影響を与えます。
お湯の影響
水自体が刺激になると同時に皮膚バリアの皮脂を落とす効果があります。
皿洗いや食器洗いは体験的にお湯で洗った方が格段に汚れを落としますが、それは同時に手の皮脂を落とす効果もあります。
水仕事の手荒れリスク
- ・冷たい水による血行不良や皮膚への刺激
- ・温かい水による皮脂の溶解・流失
- ・洗剤(衣類用・食器用・ボディケア洗剤)による皮脂の溶解・流失
- ・洗剤に含まれる様々な成分(とくに界面活性剤)の刺激
皮膚に吸収される洗剤成分
洗剤や石鹸・シャンプーなども汚れを落とすと同時に手の脂も落としています。
さらに洗剤に含まれる様々な成分は皮膚にも微量に吸収されており(*1)、皮膚がアレルギー反応を起こし湿疹や肌荒れを起こしやすくなります。
(*1)Wikipeda「洗剤」では「家庭用洗剤の皮膚からの浸透量はおよそ0.53%」としているが、単位時間や洗剤濃度が明記されておらずどのような測定方法で導き出された数値か不明です。
優しい洗剤・優しい石鹸の増加
石鹸なども現在ではアミノ酸系の刺激が少ない洗剤が多くなってきました。それらは汚れの落ち方が今ひとつですが、それだけ手や肌には優しい点が特徴です。
逆に言えば、手により石鹸・洗剤は汚れの落ち方も強力ではないと言えます。
洗いすぎはいろいろな意味で良くない
洗いすぎないことは体表に生息し人と共存共栄の関係にある常在菌の過剰除去の防止にもなります。
常在菌を過剰に除去すれば他の有害菌の侵入されやすくなることも近年わかってきました。「洗いすぎはよくない」が現在のスキンケアの常識になりつつあります。
手荒れと水仕事対策
- ・[洗剤] 肌に合わない洗剤は避ける
- ・[ゴム手袋] 水仕事(炊事、洗濯)はなるべくゴム手袋を使う
- ・[水仕事の時短] 水仕事(炊事、洗濯)を少なく、時間を短く工夫する
- ・[洗いすぎ] 手を洗いすぎない、極端にきれいにしすぎると常在菌もいなくなり逆にリスクが高くなります
- ・[お湯] 食器の汚れを落とすが、皮脂も落としやすい「お湯」は使いすぎない
- ・[水仕事の後のメンテ] 水仕事(炊事、洗濯)の後にはハンドクリームをつけることを習慣化する
- ・[濡れた手拭き取る] 濡れた手はふき取り、濡れたままにしない(濡れたままだと皮膚の水分を奪いながら蒸発しやすくなる)
開発日誌 (~2012年)
ワセリンとハンドクリーム
(2010-04-01 08:30:13)
ワセリンとハンドクリーム
ワセリンはそれ自体が単体で皮膚科の薬として処方されるほどで低刺激で安全な成分です。しかし、そのベタベタ感からハンドクリームとして使用する人はけっして多くありません。
ワセリンの問題点
ワセリンの問題点はワセリンのテクスチャーにあると思います。
- ・べた付き感
- ・伸びのなさ
- ・重量感
- ・鉱物由来であることにネガティブな印象を抱かれる場合がある
なお、ワセリンが鉱物由来(石油由来)であることに、ネガティブな印象を抱いている方がおられますし、アレルギーや油焼けが起きると主張される方々もおられます。
- ・アレルギーなど副作用
- ・鉱物由来であることにネガティブな印象を抱かれる場合がある
鉱物由来であることを否定的に考えるかどうかは意見が分かれるところです。
しかし、アレルギーや油焼けといった副作用については精製度が低かった昔のワセリンに関して語られていたことであり現在のワセリンの安全性は非常に高くなっています。
とはいえ、アトピー患者さんなど極めて敏感に反応する方々には現在の白色ワセリンでも刺激を感じる場合があること事実です。
そのため当社のワセリン・クリームであるベタガードは白色ワセリンよりもさらに精製度が高いサンホワイト(商品名)を採用しています。
ワセリンのメリット
ワセリンのメリットはいろいろありますが、私が第一に上げたいことは耐水性です。
白色系(乳化系)ハンドクリームの最大の弱点を見事にカバーしています(そのトレードオフとしてベタつき感というデメリットがある)。
薬効がないというメリット
あと皮肉なことですが、ワセリンにはまったく「薬効がない」という点が大きなメリットになっています。
薬効がないと言うことは副作用リスクが極めて少ないことを意味します。刺激もほとんどありません。
人の自然な治癒力を引き出す
ワセリンには手荒れもあかぎれも、直接的な治療効果も保湿効果もありませんが、傷口を水仕事から保護することで人の本来の治癒力をサポートします。
副作用がなく人が自分の治癒力を発揮して病気を治すというコンセプトは医薬品のもっとも美しい姿に見えるのですが、みなさまにはどのように感じられますでしょうか?
お財布に優しいワセリン
最後に価格メリット。
ワセリンを使用氏や医薬品や化粧品はそれなりの価格ですが、ワセリン自体は石油精製に伴って発生する副産物の一つであり、価格は世界的に安価に流通しています。
もしワセリン単体で使用する場合はコスト負担が少なく家計には優しい成分です。
ワセリンのメリット、まとめ
- ・耐水性
- ・安全性
- ・無臭
- ・低刺激
- ・価格