開発日誌 (~2012年)


2012年12月1日、(ベタガード7 公式サイト) オープン
(2013-10-05 02:11:00)
2012年12月1日、新しいベタガード (バージョン 7 ) ができました。

試作テストに参加いただいたみなさまに、お礼申し上げます。

新しいベタガードも、もちろんコンセプト通りワセリン・ベース。

純度が高いワセリン(サンホワイト)を採用しました。

香りはローズマリー&月桃。

天然の精油のみを配合していますのでお料理との相性がとってもよいです。

ナチュラルな香りをお楽しみください

(ベタガード7 公式サイト)


ベタガード公式サイト
(ベタガード公式サイト)


※ベタガード製品版リリース (2013年2月1日) → ベタガード7を製品として正式リリース

※ベタガード 7 試作版リリース (2012年12月1日)

※ベタガード 6 試作版リリース

※ベタガード 5 試作版リリース



開発日誌 (~2012年)


軟膏・クリーム・バーム・ローションの違い
(2013-07-26 13:39:00)

何気なく使っている軟膏・クリーム・・・


「軟膏」や「クリーム」「バーム」「ローション」。

これらの言葉を私たちは何気なく使い分けていますが、その違いは今ひとつはっきりしていません。

・「軟膏」(なんこう)とはベタベタした油脂性の成分です。

強い力で外界の刺激や細菌・ウイルスから皮膚をがっりちガードする機能、及び皮膚からの水分蒸発を防止します。

皮膚に吸収されにくい成分です。反面、傷に塗っても刺激になりにくい特徴もあります。

・「クリーム」「バーム」は一般に軟膏ほどの皮膚保護パワーはありませんが、有効成分を皮膚に届ける機能や感触の良さが特徴です。

反面、傷に塗ると刺激になりやすい。


比較表:軟膏・クリーム・バーム・ローションの違い


厳密な定義はありませんが、おおむね下記のように使い分けられています。


●油性か水性か
・ローション以外はすべて油脂性
・ローションは水溶性

●形状とテクスチャ、色
・軟膏 → 比較的べっとりしている。色は多くの場合、半透明か白色
・クリーム → べっとりしているが、軟膏ほどではない。色は多くの場合、白色
・バーム → 日本語では「香油」と訳されている。オイル性の成分でローションより粘性があるが、クリームや軟膏ほどのねばりはない
・ローション → サラサラ、水のような形状で肌さわり。色は多くの場合、透明か白色

●成分
・軟膏 → 油脂性基剤。ワセリンや脂肪酸系。炭化水素系の油脂状物質
・クリーム → 水とオイルや油脂状物質を乳化剤や界面活性剤を使用して混ぜ合わせ乳化(白色化)したもの
・バーム → 軟膏と同じく油脂状物質ながら、比較的柔らかいオイル状の物質
・ローション → 90%以上が水。そこに保水やスキンケア用の有効成分を溶解させたもの


●皮膚への吸収
・軟膏 → 吸収されにくい
・クリーム → 有効成分が吸収されやすい
・バーム → 有効成分が吸収されやすい
・ローション → 有効成分が吸収されやすい


軟膏・クリーム・バーム・ローションの英語


・軟膏(ointment)
・クリーム(cream)
・バーム(香油、balm)
・ローション(lotion)


厳密な違いはない


「軟膏」「クリーム」「バーム」「ローション」の間には以上のような違いがあります。

しかし、繰り返しになりますが、厳密な定義はなく「軟膏」「クリーム」「バーム」の間ではしばしば、同じ意味で使用されることがあります。



開発日誌 (~2012年)


白色ハンドクリームの成分
(2013-07-17 08:12:00)
白色ハンドクリームとは白色のクリーム状ハンドクリームを指します。

一般的に市販されているハンドクリームはこのタイプが圧倒的に多いかと思います。

これ以外のハンドクリームの代表はワセリン系ハンドクリームです。

白色ハンドクリームにはどんな成分が含まれているでしょうか?

市販されているハンドクリームを例に解説します:


【ドラッグストアでよく見かけるある市販ハンドクリーム】
(全成分表示)
・水
・グリセリン
・セテアリルアルコール
・ステアリン酸
・セテアリル硫酸Na
・メチルパラベン
・硫酸Na
・プロピルパラベン
・チオジプロピオン酸ジラウリル


基本は同じ:「水」+「脂」+「乳化剤」


化粧品・医薬品の成分表示は配合比率が高いものから記載する規則になっています。

多くの製品が最初の数アイテムがメイン成分で後ろに行くほど微量成分になります。

微量成分は配合比率は0.01%といった非常に微量なものもあります。

微量ゆえにほとんど意味をなさないものもありますが、微量ながら大きな意味があるものがあります。

しかし、製品の特徴はやはりメイン成分が決定します。

この製品の場合は下記5成分がメイン成分で製品の特徴となっていると思われます:

・水
・グリセリン
・セテアリルアルコール
・ステアリン酸
・セテアリル硫酸Na

この成分構成(処方)からわかることは一言で言えば「水+脂+乳化剤」というコンセプトです。

白色ハンドクリームは概ね、このようなコンセプトをベースに処方が組まれています。


各成分の特徴


●水・・・人にとってももっとも基本的かつ重要な成分です。お肌のケアも水は基本でスキンケアとは皮膚の水分保湿にはじまり水分保湿に終わると言っても過言ではありません。一般的な白色ハンドクリームでは水は70%-80%配合されます。白色ハンドクリームはかなりの部分が「水」。


●グリセリン・・・3価アルコール。C3H5(OH)3。石油から合成することも可能ですが、化粧品や医薬品・食品に使用するグリセリンは多くの場合、ココナッツなど天然油脂を加水分解して作られます。

無色透明の粘稠性液体で吸湿性があり甘味を持ち、水、エタノールと任意の割合で混合する点が非常に扱いやすく化粧品や医薬品の原料産業においてもっとも重要な原料の一つです。

グリセリンの保水性を生かして化粧品、医薬品、食品に用いられます。

医薬品や香料の溶媒、結晶化防止(グリセリンは不凍液としても利用可能)、乾燥食品や菓子類の保湿剤、チューインガムの軟化剤など幅広い用途があります。

ハンドクリームにグリセリンが配合される意図は次の目的のためです:

・保湿作用・保湿効果
・クリームの感触・テクスチャ改善(柔らかくしっとりした感じ)
・さらさらの水に粘土を与える


●セテアリルアルコール・・・セタノールとともに化粧品によく使用される代表的な高級アルコール。以前はクジラから採れる鯨油から精製されていました。

アルコールとっても一般にイメージされるお酒(エタノール)とは違います。常温では固体ですし。

分子式がアルコールの特徴であるヒドロキシル基(OH)も持った炭化水素であることからアルコールと呼ばれています。

「高級」とは炭化水素の炭素数が6以上の場合でそれ以下は「低級」となります。もちろん価格や品質の上下の意味はなく、純粋に炭素数の問題です。

・炭素数1 → CH3OH メタノール
・炭素数2 → C2H5OH エタノール
・炭素数3 → CH3CH2CH2OH 1-プロパノール

高級アルコールとってもOH基が付いた炭化水素なので脂の性格をもっていて少しだけ水に溶ける親水性の性格があります。

そのため皮膚を保護しお肌にうるおいを与えると同時に乳化剤的な役割も果たします。

セテアリルアルコールはこの製品ではおそらくお肌の保護+エモリエント効果(皮膚の潤い&柔軟性)を高めるという機能にプラスして、下記の効果があると推測されます:

・ハンドクリーム自体の粘性を高める


●ステアリン酸・・・動物性・植物性脂肪で最も多く含まれる飽和高級脂肪酸。分子式C17H35COOH。常温では固体。融点69.9度。化粧品原料としては多くの場合、粉として提供されます。


●セテアリル硫酸Na・・・界面活性剤。ステアリン酸などの脂肪酸は脂の性格を持っており、本来、水とは混じり合いあせんが、これを混ぜ合わせ融合させるために必要な乳化剤の役割を果たします。界面活性剤として働きます。



ハンドクリームのコンセプトは水で固めた脂


白色ハンドクリームの成分は一般に水が70%-80%配合されていますのでかなりの部分が水ですが、残りは高級アルコールや高級脂肪酸となります。

つまりハンドクリームとは水で固めた脂と言えます。

ステアリン酸はカラダの皮脂に含まれる脂でもあり、なるべくカラダに本来含まれている脂で手やお肌を優しくガードしようという意図がうかがえます。


(補足:人に皮脂に含まれる脂肪酸の例)人に皮脂のメイン成分は脂肪酸ですが、この脂肪酸には下記のような脂肪酸が含まれます。

・ミリスチン酸
・ペンタデシル酸
・パルミチン酸
・パルミトレイン酸
・マルガリン酸
・ステアリン酸
・オレイン酸
・バクセン酸
・リノール酸


オレイン酸やリノール酸など、マーガリンや食用オイルの成分として聞いたことがあるものがいっぱい。つまり人の皮脂も多くの動植物の油脂と成分と共有していることがわかります。

そしてハンドクリームは本来、皮脂で守られるべき手やお肌に、単純に皮脂成分やそれに似た成分を補強していると言えます。

上記ハンドクリーム成分ではセテアリルアルコールやステアリン酸が皮脂成分・皮脂に近い成分でグリセリンはそれらを使いやすくし、セテアリル硫酸Naはそれらを安定的に混ぜ合わせている周辺成分となります。



開発日誌 (~2012年)


最後の試作・No.7 入荷しました
(2012-11-08 08:11:26)
ベタガードNo.7


※ベタガード5 → 試作5番目
※ベタガード6 → 試作6番目
※ベタガード7 → 試作7番目でこれが最終製品となる(2012年12月1日リリース)


ベタガードNo.7できました!


先週「ベタガードNo.7」が入ってきました。

ベタガードNo.6と違って今回は綺麗なパッケージを準備する暇がありませんでした。

研究室から上がってきた容器そのままで社内メンバー全員に使用してもらっています。


隊員に郵送します


そしてこの試作を前回ベタガードNo.6に関してコメントや感想をいただいた隊員のみなさまにもお送りいたします。

今回も是非ご感想・使用感をおしらせください。みなさまの声がベタガードを鍛えてくれます。

※発送予定日:2012年11月9(金) メール便にて(説明書や解説書もついていません)


ベタガードNo.7、5つ改良ポイント


夏場の高温に耐える → 処方の見直しを行いました。

最大の変更はホホバオイルをホホバワックスに変更。ポケットの中など体温近くになってもワセリンとオイルの分離の発生は見られません。

べたつき感の軽減 → 「ベタガード」というネーミングのとおり、強烈なベタベタ感(つまり強力な耐水性能)が本来のベタガードの製品コンセプトだったのですが、耐水性能そのままにベタ付き感が軽減しています。

ベタ付き感の軽減にはシリコン配合が有効ですが、ベタガードにはシリコン無配合です。ワセリンなのに、このサラサラ感、ぜひお試しください!

香りが変わった(ローズマリー&月桃)

ベタガードNo.6はラベンダーの香りでしたが、ハンドクリームという性格上、食品を触る手から食材や料理に香りが移っても違和感がない香りとして、ハーブとして人気があるローズマリーが採用されました。

薬草のような匂いは食欲を誘います。口に入っても無害です。

全成分 → ワセリン/ホホバ種子油/水添ホホバ油(ホホバワックス)/ローズマリー油/ゲットウ葉油/トコフェロール(ビタミンE)・・・

使用対象部位を全身へ
ハンドクリームから全身スキンケアへ。手に・くちびるに・かかとに・・・全身にお使いください。製品版ベタガードのサブタイトルは「フルボディ・スキンケア」となる予定です。



開発日誌 (~2012年)


(紹介) ワセリン奨励3
(2012-06-19 10:06:45)

アレルギー対策



アレルギーなんかこわくない!―花粉症、アトピー、ぜんそくの治し方(講談社SOPHIA BOOKS)

ワセリン推奨

刊行が2001年と少し古いが、なかなかタメになる本です。

小児科クリニックの医院長をされている著者の経験談に基づく考察が具体的で信用できる本だなと感じました。

怪しい本が多いなか、ほっとする内容です。


繰り返し登場するワセリンの話


この本の中ではワセリンが繰り返し登場します。

たとえば「ワセリンがなぜアトピーにいいのか?」という章ではワセリンが皮膚に対して効果を発揮するメカニズムが述べられています。

それによるとワセリンそれ自体に薬効効果があるわけではないことが明確に述べられています。

ワセリンの特徴は薬効ではなく「皮膚のバリアの役割をするから」と簡潔です。

ワセリンは酸化しにくく変質しにくいきわめて安定した物質です。

化学変化を起こしにくいため生体に何らかの作用を及ぼしにくい、つまり副作用リスクが低い点が最大のメリットという主張のようです。



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