開発日誌 (~2012年)


軟膏・クリーム・バーム・ローションの違い
(2013-07-26 13:39:00)

何気なく使っている軟膏・クリーム・・・


「軟膏」や「クリーム」「バーム」「ローション」。

これらの言葉を私たちは何気なく使い分けていますが、その違いは今ひとつはっきりしていません。

・「軟膏」(なんこう)とはベタベタした油脂性の成分です。

強い力で外界の刺激や細菌・ウイルスから皮膚をがっりちガードする機能、及び皮膚からの水分蒸発を防止します。

皮膚に吸収されにくい成分です。反面、傷に塗っても刺激になりにくい特徴もあります。

・「クリーム」「バーム」は一般に軟膏ほどの皮膚保護パワーはありませんが、有効成分を皮膚に届ける機能や感触の良さが特徴です。

反面、傷に塗ると刺激になりやすい。


比較表:軟膏・クリーム・バーム・ローションの違い


厳密な定義はありませんが、おおむね下記のように使い分けられています。


●油性か水性か
・ローション以外はすべて油脂性
・ローションは水溶性

●形状とテクスチャ、色
・軟膏 → 比較的べっとりしている。色は多くの場合、半透明か白色
・クリーム → べっとりしているが、軟膏ほどではない。色は多くの場合、白色
・バーム → 日本語では「香油」と訳されている。オイル性の成分でローションより粘性があるが、クリームや軟膏ほどのねばりはない
・ローション → サラサラ、水のような形状で肌さわり。色は多くの場合、透明か白色

●成分
・軟膏 → 油脂性基剤。ワセリンや脂肪酸系。炭化水素系の油脂状物質
・クリーム → 水とオイルや油脂状物質を乳化剤や界面活性剤を使用して混ぜ合わせ乳化(白色化)したもの
・バーム → 軟膏と同じく油脂状物質ながら、比較的柔らかいオイル状の物質
・ローション → 90%以上が水。そこに保水やスキンケア用の有効成分を溶解させたもの


●皮膚への吸収
・軟膏 → 吸収されにくい
・クリーム → 有効成分が吸収されやすい
・バーム → 有効成分が吸収されやすい
・ローション → 有効成分が吸収されやすい


軟膏・クリーム・バーム・ローションの英語


・軟膏(ointment)
・クリーム(cream)
・バーム(香油、balm)
・ローション(lotion)


厳密な違いはない


「軟膏」「クリーム」「バーム」「ローション」の間には以上のような違いがあります。

しかし、繰り返しになりますが、厳密な定義はなく「軟膏」「クリーム」「バーム」の間ではしばしば、同じ意味で使用されることがあります。



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